帰国

チューリッヒに一泊して帰国。バーゼル市文書館ではデジカメによる資料の写真撮影が認められており、手紙や日記などをひたすら撮る。GRDIIIの優れた接写機能が役に立った。撮影枚数の合計は2321枚に上っていた。文書の写真だけでも1500枚は越えているはず。…

Mnemosyne 途中経過

ようやく自分の担当分パネル21枚について解説を書き終わる。最後の2枚、パネル78と79で大団円。とくにユダヤ人迫害と聖体の関係をめぐるパネル79では、裏テーマとして「ムッソリーニのイコノロジー」とのつながりを発見する。まだまだ越すべき山は数多く、…

書評:『ヤシガラ椀の外へ』

書誌情報は田中純「書評:『ヤシガラ椀の外へ』」、「読売新聞」2009年9月6日付朝刊。著者が中国に生まれたアイルランド人(ただし、いわゆる「生粋の」ではない)であり、アメリカでインドネシアを中心とした東南アジアを研究してきたという経歴が、本書に…

Basel, Kleinhüningen, Kreuzlingen

Gilbert Clavelについてのアーカイヴ調査のためバーゼルに行く予定。未来派の一員としてわずかに知られている程度だろうが、バーゼルの絹染色業で財をなした一族の出身。ドイツとの国境に近いクラインヒューニンゲンにはこの一族の屋敷が残っている。ジルベ…

摩滅の博物誌

『UP』9月号に寄稿しました。連載「イメージの記憶」の第17回です。 書誌情報は田中純「摩滅の博物誌──W・G・ゼーバルトと古写真の光」、『UP』443号(2009年9月号)、東京大学出版会、2009年、36〜41頁。

『現代思想』ガリレオ特集に寄稿

書誌情報は田中純「ガリレオと「見ること」」、『現代思想』2009年9月号(第37巻12号)、青土社、2009年、74〜91頁。この論文の2節で記述した、パノフスキーのガリレオ論と火星の楕円軌道を象徴したヴァールブルク文化科学図書館ホール(閲覧室)などとの関…

書評:『フジツボ 魅惑の足まねき』

書誌情報は田中純「書評:『フジツボ 魅惑の足まねき』」、「読売新聞」2009年8月2日付朝刊。

書評:『「芸術」の予言!!』

書誌情報は田中純「書評:『「芸術」の予言!!』」、「読売新聞」2009年7月26日付朝刊。この本ともわたしとも直接は関係ないが、世の中には「書評を読んで高価な本を買って損した」というようなことを公の場で口にする人がいると知ってびっくりした。買うも…

雑誌「fold」創刊記念トークイベント成功裡に終了

お終いまでほぼ満員だったのではないでしょうか。皆さん、お疲れさまでした。三ヶ月で雑誌の製作とこれだけの内容のイベントを実現したのはまったく天晴れだと思います。ゲストのお話からもいろいろなアイディアを得ましたが、今回のイベントが成功したとい…

本日・雑誌「fold」創刊記念トークイベント

《un-fold》vol.1.「雑誌」と「時」----語り直される時間(「fold」創刊記念トークイベント)2009 年7 月25 日( 土)18:00 〜 21:00 於 東京大学駒場キャンパス18 号館ホール【入場料】1000 円(特別割引900 円) 参加者には「fold」創刊号(通常1000 円)…

書評:谷川雁『谷川雁セレクション』I・II

書誌情報は田中純「書評:谷川雁『谷川雁セレクション』I・II」、「読売新聞」2009年7月19日付朝刊。

講演会案内「情念の形態学──アビ・ヴァールブルク「ムネモシュネ」の解読」

国立西洋美術館で次の展覧会が開かれています。 《かたちは、うつる──国立西洋美術館所蔵版画展》2009年7月7日(火)〜8月16日(日)これに関連して、講演会で話します。2009年8月1日(土) 14:00〜15:30田中 純[東京大学大学院准教授] 「情念の形態学──ア…

ユニクロ・カレンダー

これも模型化された世界。クリック拡大して音楽付きでどうぞ。

代々木上原

行き倒れたように眠る。起きるか?・・・・・・挫けた・・・・・・

群島

この記事についてひと言。今福龍太氏の『群島-世界論』(岩波書店)については読売新聞に書評を書いた。ただし、ある齟齬を感じていることもそれ以前に記している。そこにも書いた通り、この書物で記憶にとどめるべきは、奴隷船から「廃棄」された黒人奴隷の…

世田谷の亜熱帯

SIGMA DP2で撮影。まだ、まったく使いこなせていない。AFなのにピントが外れるのも愛嬌か。けれど、何でもそれなりに撮れてしまうことにどこか倦んでいたのだから、これでいいのだ。独特なイメージセンサーゆえの「切れのいい」画像。安直なデジカメに慣れき…

周期的同時多発性

必要があって1990年代半ばからのメールを見返す。1999年から2000年にかけて、大学の組織編成などに忙殺され、翻弄されていたことを思い出す。2002年にカッチャーリ氏を招聘した計画には、当初、リベスキンド氏も含まれていた。折り合いがつかずに立ち消えと…

本郷・不忍・弁才天

亀の甲羅干し。本がかなり届く。豪華本の体裁のイメージ論叢と始祖鳥についての決定版(たぶん)。

書評:宮本常一『宮本常一が撮った昭和の情景』 上・下巻

書誌情報は、 田中純「書評:宮本常一『宮本常一が撮った昭和の情景』 上・下巻」、「読売新聞」2009年7月5日付朝刊。

fold公式サイト

が公開されておりました。こちら。イベントも告知されています。

実景のミニチュア

2008年日本ダービー By TANAKA JunTilt-shift style photos by TiltShiftMaker

書評:ホンマタカシ『たのしい写真』

書誌情報は、 田中純「書評:ホンマタカシ『たのしい写真』」、「読売新聞」2009年6月21日付朝刊。

創刊記念イベント「un-fold vol.1」開催

詳しくはコマプレスの記事を。時をめくる雑誌「fold」の創刊を記念いたしまして、7月25日(土)の18:00〜20:00、東京大学駒場キャンパス18号館ホールにて、ゲストに編集者/クリエイティブ・ディレクター/京都造形大学教授/「G/P gallery」代表(他)の…

博士論文公開審査(平倉圭さん)

一週間後に迫りました。日時:2009年6月27日(土)14:00(定刻開始) 場所:東京大学駒場キャンパス 18号館4階 コラボレーションルーム3 審査論文執筆者・題目:平倉 圭 「ジャン=リュック・ゴダール論──編集/ミキシングによる思考」審査委員(順不同)…

土星の環

<土星の輪>15年ぶり「消失」6月20日10時51分配信 毎日新聞 土星の輪が見えなくなる「消失現象」が約15年ぶりに起こる。地球から見て輪が真横に位置するためで、しし座の方向にある土星の輪が、次第に細くなる様子が観察できる。 国立天文台(東京都三…

鰭崎英朋

春昼後刻 浪よ嵐よ 英朋画『新小説』明治39年12月号 絵葉書二葉「然(さ)らば、といつて、土手の下で、分れ際に、やゝ遠ざかつて、見返つた時──其紫の深張を帯のあたりで横にして、少し打傾いて、黒髪の頭(かしら)おもげに見送つて居た姿を忘れぬ。どんな…

「国際交流の作法」

以前にも触れた憲さんのブログ。しばらく見ないうちに長い記事がずいぶん増えていた。

Gott im Detail

数日ムネモシュネにかかりきり。パネル75、76,77と仕上げてきて、シラクサのドラクマ硬貨を調べる一方では、17世紀イングランドのメダル製作者や1920年代ドイツの化粧品広告を探索するという、一見したところは支離滅裂ぶり。けれど、細部に入り込むほど、…

『人文会ニュース』105号

人文書出版社の団体会報を拝受。昨年の秋に行なわれた講演(竹内洋氏「教養主義の没落と人文・社会科学」)やパネル・ディスカッション「人文会の40年と人文書の可能性」など。出版社や書店の抱えている問題や今後の展望がわかる。非売品らしいので、駒場関…

書評:ジョー・マーチャント『アンティキテラ──古代ギリシアのコンピュータ』

書誌情報は、 田中純「書評:ジョー・マーチャント『アンティキテラ──古代ギリシアのコンピュータ』」、「読売新聞」2009年6月7日付朝刊。面白い本なのですが、活字ではこの機械の動きがわかりにくい。復元模型を解説したビデオを見つけました。より詳しくは…