種の魅惑、縮減模型の魂

『現代思想』のレヴィ=ストロース特集に寄稿しました。書誌情報は田中純「種の魅惑、縮減模型の魂──『野生の思考』再読」、『現代思想』第38巻1号(2010年1月号)、青土社、2010年、154〜165頁。なお、文中で言及しているレヴィ=ストロースが作った神話の…

シンポジウム

事業仕分けの話とか、当日、いろいろ付け足しを考えていたのですが、時間切れでした。戦うべきは反知性主義。だから、啓蒙も必要なので、短期的戦略としては「メディアの戦争」に参戦することも確かにありうる選択肢かもしれない。けれど、そこで引き合いに…

独学に学ぶ

昨年行なったレクチャーの記録が雑誌に掲載されました。書誌情報は田中純「独学に学ぶ──早稲田大学建築史研究室白井晟一学習会・レクチャーシリーズ 第2回(2008年12月13日、虚白庵にて)」、『住宅建築』No.417(2010年1月号)、建築資料研究社、49〜54頁…

書評:服部文祥『狩猟サバイバル』

書誌情報は田中純「書評:服部文祥『狩猟サバイバル』」、「読売新聞」2009年12月13日付朝刊。 ちなみに、この本で追求されている「サバイバル」は、装備を完璧にしてエベレストに登るといった登山とは真逆にある。自分の手で殺生を行なわなければ生き延びら…

サバイバル(承前)

もっとも「敵」はいたるところにいる。『中央公論』の蓮實+浅田対談をつい読んでしまう。既視感あふれるものだが、文字通り、対談自体が現代を19世紀の反復と見なしているのだから、20年前と大差ないものになることは当然なのだ。現在のメディア状況に対す…

サバイバル

読売新聞の読書委員(書評執筆)としてほぼ最後の仕事に取り上げるのは、服部文祥『狩猟サバイバル』(みすず書房)。内容は次の日曜に掲載される書評に譲るとして、たまにはここにも雑感を。2年間にわたって書いてきた書評の最後に何を取り上げようかと思…

書評:渡邊守章『快楽と欲望──舞台の幻想について』『越境する伝統』

書誌情報は田中純「渡邊守章『快楽と欲望──舞台の幻想について』『越境する伝統』」、「読売新聞」2009年12月6日付朝刊。

「星の子供たち」の帰還

『UP』12月号に寄稿しました。連載「イメージの記憶」の第18回です。 書誌情報は田中純「「星の子供たち」の帰還──占星術の政治的図像学」、『UP』446号(2009年12月号)、東京大学出版会、2009年、34〜40頁。

毎日出版文化賞贈呈式

昨日(11月25日)、グランドプリンスホテル赤坂で第63回毎日出版文化賞の贈呈式がありました。「毎日動画」の映像スピーチはメモを極力見ずに行なったため、記憶が飛んだ個所もありました。原稿全文(スピーチとは完全には一致しません)をここに載せてお…

書評:『数式に憑かれたインドの数学者』

書誌情報は田中純「書評:デーヴィド・レーヴィット『数式に憑かれたインドの数学者』」、「読売新聞」2009年11月22日付朝刊。

〈声〉なき幼児期への帰還

アガンベンの翻訳書に寄せた文章です。書誌情報は田中純「〈声〉なき幼児期への帰還──アガンベン『言葉と死』」、『ちくま』465号、筑摩書房、2009年、10-11頁。

「赤軍の娘は誰? そして息子は・・・・・・」(四方田犬彦)

『新潮』11月号の連載「四方田犬彦の月に吠える」を遅ればせながら読む。四方田さんの『歳月の鉛』については以前短く書いた。その著書を入り口に、「70年代に権力によって徹底した弾圧を体験し、流亡と入獄、沈黙を強いられてきた者たち」として、中国の…

「毎日出版文化賞の人々」

インタビューが記事になっています。◆人文・社会部門 田中純さん−−『政治の美学』(東京大学出版会)印象的にまとめていただきました。ただ、「ナチスを崇拝した建築家」の部分は、拙著にはない、やや強すぎる表現になっています。堀口は戦時中にヒトラーを…

書評:柴田寿子『リベラル・デモクラシーと神権政治』

書誌情報は田中純「柴田寿子『リベラル・デモクラシーと神権政治』」、「読売新聞」2009年11月8日付朝刊。

毎日出版文化賞受賞

拙著『政治の美学──権力と表象』が第63回毎日出版文化賞を受賞しました(新聞記事)。編集者、出版社をはじめ、関係する皆さんに感謝します。

「『政治の美学』のために」改訂

分散していたブックガイド情報や短い覚え書きなどを加えました。左のバナー(「『政治の美学』情報」)、もしくはこのリンク(「『政治の美学』のために」)から。

書評:三中信宏『分類思考の世界』

書誌情報は田中純「書評:三中信宏『分類思考の世界』」、「読売新聞」2009年10月25日付朝刊。

「戦友」の死

加藤和彦氏が自殺した。彼のファンだったとか、楽曲をよく聴いた、といったことはない。小学校時代に「帰って来たヨッパライ」を知って以来、北山修氏と作ったいくつかの曲に親しんできただけだ。ただ、サディスティック・ミカ・バンドの頃、グラム・ロック…

暴威節

見つけてしまいました。 妙にはまっている。元の曲を知らないと面白くないかもしれませんが。だから、本家の映像も貼っておこう。他にツェッペリン(鉛舟節)やクラフトワーク(職工節)もあり。1980年代にはボウイ本人がこんなものを歌っていた。出だしのあ…

書評:高山宏『かたち三昧』

書誌情報は田中純「書評:高山宏『かたち三昧』」、「読売新聞」2009年10月11日付朝刊。

書評:『流れる山の情景』

書誌情報は田中純「書評:浜田優『流れる山の情景』」、「読売新聞」2009年10月4日付朝刊。 あの日の蝙蝠はやはり吉兆だったか。雲間から陽が差した想い。

『分類思考の世界』

三中信宏さんの『分類思考の世界』を読書中。いつもながら豊富な情報量。「種」は存在する(しない)という形而上学的問題、というよりも、その問題を解消してしまう思考の転回は、さまざまな分野に通じるものだと思う。その三中さんの「日録」に ◆「残響録…

書評:『フェルディナン・ド・ソシュール』

書誌情報は田中純「書評:互盛央『フェルディナン・ド・ソシュール』」、「読売新聞」2009年9月27日付朝刊。 まったく関係ないけれど、「みんなのこたつ」という作品をめぐって、「こたつ問題」が議論されていることを昨日知った。

天鼠あるいは蚊喰い鳥

彼は誰時にひらひらと、奇妙な様子で飛ぶ姿を、いくつか眼にすることがあった。離れては近づき、近づいては離れて、不規則に、そして暗闇に紛れる。あれこれと鬱屈の種はつきないが、埒が開かないことには結着をつけ、目の前の仕事を一つずつ片づけるしかな…

Basel Street

偶景

Books+Sites090923

備忘のため。Lorenz Jäger: Die schöne Kunst, das Schicksal zu lesen: Kleines Brevier der Astrologie. Springe: zu Klampen Verlag, 2009. Ulrich Raulff: Kreis ohne Meister: Stefan Georges Nachleben. Eine abgründige Geschichte. München: C.H. Be…

ホワッチャドゥーイン?

門林岳史氏の著書『ホワッチャドゥーイン、マーシャル・マクルーハン?--感性論的メディア論』(NTT出版)が刊行されました。推薦文を書きました。

岩波書店『図書』に寄稿

書誌情報は田中純「ヴァールブルクのカード占い」、『図書』第728号(2009年10月号)、岩波書店、2009年、16〜20頁。

書評:『太古の光景』

書誌情報は田中純「書評:『太古の光景』」、「読売新聞」2009年9月13日付朝刊。