天鼠あるいは蚊喰い鳥

彼は誰時にひらひらと、奇妙な様子で飛ぶ姿を、いくつか眼にすることがあった。
離れては近づき、近づいては離れて、不規則に、そして暗闇に紛れる。

あれこれと鬱屈の種はつきないが、埒が開かないことには結着をつけ、目の前の仕事を一つずつ片づけるしかない。

蝙蝠は福の遣い。良いこともあるだろう。