『分類思考の世界』

三中信宏さんの『分類思考の世界』を読書中。いつもながら豊富な情報量。

「種」は存在する(しない)という形而上学的問題、というよりも、その問題を解消してしまう思考の転回は、さまざまな分野に通じるものだと思う。

その三中さんの「日録」に


◆「残響録」の開始 ---- 『分類思考の世界』のブツが書店に並び,新聞広告もすでに打たれている.そろそろ,この本の受容のされ方を拾い集める作業を始めないといけないか.前著『系統樹思考の世界』の「反響録」は,けっきょく出版以来3年あまりも百回以上にわたって断続的に続けた.その結果,受容の「密度関数」を大まかに把握することができたように思う.ひとつひとつの感想や書評はときとしてエキセントリックなものも含まれるので,著者が個別に一喜一憂する必要はまったくない.全体としての趨勢がむしろ重要だろう.ということで,ぽつぽつと「残響録」のアイテムを収拾し始めました.

とあり、「ひとつひとつの感想や書評はときとしてエキセントリックなものも含まれるので,著者が個別に一喜一憂する必要はまったくない.全体としての趨勢がむしろ重要だろう」というところで納得。

でも、凡夫の身では、なかなかここまで達観できません。しかし、この境地にいたるためにも「残響」を記録すべきなのかもしれないとも思う。

書評:『フェルディナン・ド・ソシュール』

書誌情報は
田中純「書評:互盛央『フェルディナン・ド・ソシュール』」、「読売新聞」2009年9月27日付朝刊。





まったく関係ないけれど、「みんなのこたつ」という作品をめぐって、「こたつ問題」が議論されていることを昨日知った。

天鼠あるいは蚊喰い鳥

彼は誰時にひらひらと、奇妙な様子で飛ぶ姿を、いくつか眼にすることがあった。
離れては近づき、近づいては離れて、不規則に、そして暗闇に紛れる。

あれこれと鬱屈の種はつきないが、埒が開かないことには結着をつけ、目の前の仕事を一つずつ片づけるしかない。

蝙蝠は福の遣い。良いこともあるだろう。


Books+Sites090923

備忘のため。

Lorenz Jäger: Die schöne Kunst, das Schicksal zu lesen: Kleines Brevier der Astrologie. Springe: zu Klampen Verlag, 2009.


Ulrich Raulff: Kreis ohne Meister: Stefan Georges Nachleben. Eine abgründige Geschichte. München: C.H. Beck Verlag, 2009.


Antonella Basilico Pisaturo (ed.): Hans Paule: un artista ed il suo tempo. Capri - Sardegna: 1900-1951. Capri: La Conchiglia, 2004.

Mauro Ponzi (ed.): Spazi di transizione. Il classico moderno (1888 - 1933). Milano: Mimesis, 2009.

Positano News: Positano La Torre di Fornillo.. non Torre di Clavel!